退職金は一時金で受け取る予定。ではiDeCoはどうすべきか。受け取り時期をまだ決めていない私が、出口戦略を本気で整理してみた。
前回の記事で「iDeCoを増額する前に、出口設計を先に整理すべき」と書いた。その言葉通り、今回は自分ごととして本気で向き合ってみた。退職金は一時金で受け取る予定だが、iDeCoをいつ・どう受け取るかはまだ決めていない。調べれば調べるほど、「受け取り方を間違えると数十万円単位で損をする」ことがわかってきた。
iDeCoの受け取り方は3択ある
まず基本を整理しておく。iDeCoの受け取り方は大きく3つだ。
| 受け取り方 | 課税区分 | 特徴 |
|---|---|---|
| 一時金(一括) | 退職所得 | 退職所得控除が使える。有利なことが多い |
| 年金(分割) | 雑所得 | 公的年金等控除が使える。他の収入と合算 |
| 一時金+年金 | 両方 | 柔軟だが、金融機関によって対応が異なる |
どれが得かは、退職金の金額・受け取り時期・他の収入によって大きく変わる。一概に「一時金が得」とも「年金が得」とも言えないのが正直なところだ。
最大の落とし穴:退職金との「控除枠の競合」
私が最も気をつけたいのがここだ。iDeCoを一時金で受け取ると「退職所得控除」が適用される。これは非常に有利な控除で、勤続年数が長いほど控除額が大きい。勤続35年の場合の控除額はこうなる。
800万円 + 70万円 × (35年-20年) = 1,850万円
これだけの控除があればほぼ課税されないケースも多い。ただし——会社の退職金とiDeCoの一時金を同じ年に受け取ると控除枠が合算される。退職金が多い場合、枠を使い切ってiDeCoの一時金に課税が発生する可能性がある。
知っておきたい「19年ルール」
退職金とiDeCoの一時金の受け取りに19年以上の間隔を空けると、それぞれの退職所得控除を独立して使えるというルールがある。
| タイミング | 内容 |
|---|---|
| 60歳退職時 | 会社の退職金を一時金で受け取り → 退職所得控除をフル活用 |
| 79歳以降 | iDeCoを一時金で受け取り → 別枠の退職所得控除を活用 |
ただし79歳まで引っ張るのは現実的でないケースも多い。60歳退職なら、65〜70歳ごろの受け取りが現実的な落としどころになりそうだ。その場合、控除枠の一部は競合するが、退職金の金額次第では十分に節税できる。
年金受け取りはどうか?
年金受け取りにすると「雑所得」として課税される。公的年金等控除が使えるが、国民年金・厚生年金と合算されるため、65歳以降に受け取ると収入が重なりやすい。逆に言えば、公的年金の受給が始まる前の60〜65歳の空白期間に年金形式で受け取るのは、収入が少ない時期に分散できるという意味で有利なケースもある。
私の現時点の考え方
まだ決定ではないが、今のところこんな方向性で考えている。
- 60歳退職時:会社の退職金を一時金で受け取り、退職所得控除をフル活用
- iDeCoは60〜65歳の間(年金受給前)に受け取り開始を検討
- 受け取り方は退職金との控除枠の競合を試算してから判断
- 2026年12月の改正後に増額 → 運用を延ばしつつ節税効果を最大化
「積み立てる」ことに集中してきたが、「どう受け取るか」こそが老後資金の本当の勝負だと、今さらながら実感している。
まとめ
iDeCoの出口戦略は、退職金との組み合わせで考えることが必須だ。受け取り方・時期によって課税の大きさが変わるため、早めに試算しておくことをすすめたい。特に退職金を一時金で受け取る予定の人は、iDeCoとの控除枠の競合を必ず確認してほしい。
私自身はまだ決めきれていないが、今年中にファイナンシャルプランナーへの相談も検討している。答えが出たらまた記事にしたいと思う。
次回は「60歳退職後の4年間をどう乗り越えるか——年金受給前の空白期間の家計設計」を書く予定です。


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