iDeCoは残り5年で増額する意味がある?月2万円を積み立てながら、本気で悩んでみた

55歳・月2万円のiDeCoを続けて数年。60歳退職を目指すいま、「増額すべきか」という問いに向き合いました。調べてみると、2026年は制度が大きく変わる転換点だとわかった。

正直に言うと、少し前まで増額なんて考えていなかった。

「どうせ5年しかない」「今さら増やしても大して変わらないだろう」——そう思っていた。でも調べてみたら、2026年はiDeCoにとって大きな節目の年だった。

なぜiDeCoを選ぶのか——金融機関を自分で選べる強み

会社員の場合、企業型DCという選択肢もある。ただ私がiDeCoにこだわる理由は明確だ。

iDeCoは、金融機関を自分で選べる。運用商品のラインナップも、自分で判断できる。

企業型DCは会社が契約した金融機関の商品しか選べない。コストの高いファンドしかない、選択肢が少ない——そういったケースも珍しくない。その点iDeCoなら、低コストのインデックスファンドを豊富に揃えたネット証券を自分で選べる。運用効率が長期的なリターンに直結する以上、この違いは小さくない。

増額を検討するなら、なおさらiDeCoの使い勝手の良さを最大限に活かしたいと思っている。

2026年12月、iDeCoの上限額が大幅に変わる

そのiDeCoが、2026年12月に大きく変わる。

時期iDeCo上限(企業型DC加入者)
〜2026年11月最大月2万円(企業型DCとの合計が月5万5,000円以内)
2026年12月〜企業型DCとの合計が月6万2,000円以内まで拡大

会社の企業型DC掛金が月2万円の場合、2026年12月以降のiDeCo上限は月4万2,000円(=6万2,000円-2万円)になる計算だ。増額できる余地が一気に広がる。

【試算】増額パターン別に節税額を比較してみた

「今さら遅い」と思っていたが、2026年12月以降に増額できるとしたら話は変わる。私の条件で、増額パターン別に比較してみた。

iDeCoの掛金は全額が所得控除になるので、節税額は「掛金 × 限界税率」で決まる。年収500万円の私の限界税率は、所得税10%+住民税10%の計20%だ(課税所得195万〜330万円の区分)。期間は2026年12月から60歳の退職まで、約4年(48ヶ月)で計算した。

掛金(月額)年間掛金節税額(年)約4年間の節税額
月2万円(現状維持)24万円約4.8万円約19万円
月3万円(+1万円)36万円約7.2万円約29万円
月4.2万円(上限まで増額)50.4万円約10.1万円約40万円

現状維持と上限増額の差は、4年間で約21万円。増やした掛金は手元から出ていくが、消える「支出」ではなく自分の老後口座への「移動」だ。移動するだけで年10万円の節税が付いてくると考えると、悪くない。

増額しても「出口の非課税枠」に収まるか

入口の節税だけ見て増額し、出口で課税されたら本末転倒だ。そこで出口も確認した。

出口戦略の記事で試算したとおり、私の場合は退職金800万円と同じ年にiDeCoを一時金で受け取っても、退職所得控除1,500万円(勤続30年)に収まれば税額0円。つまりiDeCoに使える非課税枠は実質700万円ある。

60歳時点のiDeCo残高見込みは、現状維持なら約500万円。上限の月4.2万円に増額した場合でも、追加拠出は約106万円+運用益で約620万円フルに増額しても非課税枠に収まる計算だ。

入口で約40万円の節税を取り、出口も0円。増額をためらう理由は、手元資金の余裕以外には見当たらなかった。

増額の前に確認すべきこと

  • 会社の企業型DC掛金額を確認し、2026年12月以降のiDeCo上限額を計算する
  • 退職金との「退職所得控除の枠」の競合を事前に試算する
  • 60歳以降の受け取り時期(最長75歳まで繰り延べ可)を検討する

特に注意したいのが退職金との控除枠の競合だ。iDeCoを一時金で受け取ると「退職所得控除」が使えるが、会社の退職金と同じ枠を使う。大幅増額を検討するなら、受け取り方の設計とセットで動くことが必須だ。受け取り方の試算は受け取り方の記事出口戦略の記事にまとめている。

いまの私の結論

「増額には十分意味がある。動くなら2026年12月の改正後が本番」——これが今の答えだ。

今すぐできることは、会社の企業型DC掛金額の確認と、退職金との出口設計の整理。この2つを先に済ませておけば、年末の制度改正に合わせてスムーズに動ける。

「今さら5年で意味があるのか」と思っていたが、2026年12月に向けて今から準備しておく価値は十分にある。金融機関を自分で選べるiDeCoだからこそ、増額する意味がある。


よくある質問

Q. 55歳からiDeCoを増額しても節税メリットはありますか?

A. あります。iDeCoの掛金は全額所得控除になるため、残り5年でも数十万円単位の節税効果が見込めます。所得税率が高いほど効果は大きくなります。

Q. 2026年12月の改正でiDeCoの掛金上限はどう変わりますか?

A. 企業型DCとの併用者を中心に上限額が引き上げられる予定です。自分の加入区分を確認し、増額できる場合は早めに手続きを行うことをおすすめします。

Q. iDeCoは60歳以降も運用を続けられますか?

A. 現行制度では75歳まで運用継続が可能です。受け取りを急がず、運用を延ばすことで非課税運用期間を長くする戦略も有効です。


この記事を書いた人:55歳・資産約5000万円・60歳退職を目指す会社員(愛知県在住・独身)。感覚ではなく数字で老後を考えるブログ「55歳から整える資産設計」を運営中。

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