これまでこのブログでは、家計の集計、iDeCoやNISAの出口戦略、退職後の社会保険など、テーマごとに記事を書いてきました。
ただ、振り返って気づいたことがあります。
「いつ・何をやるか」の全体地図が、どこにもありませんでした。
私自身、思いついた順に調べてきたので、順番が前後した部分もあります。
今回は、これまでの記事を「60歳退職までの5年間ロードマップ」として1本に整理し直しました。
- 60歳退職を考え始めたが、何から手をつければいいか分からない方
- 個別の制度は調べたが、全体の順番を整理したい方
- 退職準備のチェックリストがほしい方
という方の参考になればうれしいです。
前提条件
- 年齢:55歳(60歳退職を想定)
- 年収:約500万円
- 勤続年数:30年
- 資産:約5,000万円(NISA月10万円+iDeCo月2万円を積立中)
- 退職金:800万円の見込み
- 独身・愛知県在住・賃貸
1年目(55歳)|現状を数字で把握する
最初の1年でやるべきは、新しいことを始めることではありません。
いま自分がどこに立っているかを、感覚ではなく数字で把握することです。
- 生活費の実測。私は家計簿アプリのデータを集計して、想定20万円が実際は月22万円だったと分かりました
- 資産の棚卸し。ポートフォリオを一覧にして、何をいくら持っているかを1枚にまとめる
- 全体設計。60歳退職に向けた資産設計の全体像を描く
- 実現可能性の確認。資産5,000万円で60歳退職できるかのシミュレーションを回す
👉 この4つで「60歳退職は現実的か」の答えがほぼ出ます。 私の場合は、60歳時点6,500万円→90歳でも4,800万円残る計算でした。
2年目(56歳)|積み立てを最適化する
現状が見えたら、残り期間の積み立てを見直します。
- iDeCoの増額判断。2026年12月の上限引き上げで、私の場合は約4年間で最大約40万円の節税余地があります
- NISAは淡々と継続。取り崩しは退職後なので、この段階では触りません
- サテライト投資の見極め。QQQのような攻めの投資を55歳から持つべきかは年齢リスクと相談
- 外貨資産の点検。円安・円高が退職計画に与える影響も一度整理しておく
👉 「増やす」より「間違いを消す」年です。 高コストな商品や過大なリスクを、退職前に片付けておきます。
3年目(57歳)|出口を設計する
ここが5年間の山場です。積み上げた資産を「どう受け取るか」で、手取りは大きく変わります。
- iDeCoの受け取り方を決める。一時金・年金・併用の3パターン試算では、65歳より前に受け取り終えるかどうかが分かれ目でした
- 退職金との合算をチェック。iDeCoとNISAの出口戦略で試算したとおり、退職金800万円規模なら同じ年の一括受け取りでも税額0円です
- 公的年金の受給開始時期を仮決めする。60歳・65歳・70歳の損益分岐は金利水準でも変わります
👉 出口の設計は退職の直前ではなく、退職金の額が見え始めるこの時期に。 2026年からiDeCoの「10年ルール」が始まっており、受け取り順序の自由度は下がっています。
4年目(58歳)|退職後のコストを試算する
退職後は、給与天引きだった保険料と税金をすべて自分で払います。
- 退職初年度の隠れコストを試算する。私の条件では社会保険・税金で年間約86万円でした
- 保険料の制度改定を追う。子ども・子育て支援金のような新しい負担は今後も増える前提で見積もる
- 配当の税金を整理する。配当控除の確定申告を一度経験しておくと、退職後の申告が怖くなくなります
- 制度は変わるものと割り切る。制度変更との付き合い方も考え方として持っておく
👉 「生活費月22万円」に加えて、初年度は約86万円の上乗せ。 ここまで見込んで初めて、退職後の予算になります。
5年目(59歳)|暮らしと最終数字を固める
最後の1年は、数字の総仕上げと暮らしの確認です。
- 住まいの方針を決める。賃貸継続・購入・住み替えの3つの選択肢は、退職前の方が選択肢が多い
- 退職金の確定額でシミュレーションを更新する。控除や税額の試算はすべて「見込み800万円」前提なので、確定額で再計算します
- 受け取りスケジュールを確定する。退職金・iDeCo・失業給付・年金の順番をカレンダーに落とし込む
👉 59歳の終わりに「退職後3年分の資金繰り表」ができていれば、準備完了です。
まとめ|5年間の地図があれば、あとは歩くだけ
- 1年目:家計と資産を実測し、60歳退職が現実的かを確認する
- 2年目:iDeCo増額など積み立てを最適化し、リスクの間違いを消す
- 3年目:iDeCo・退職金・年金の受け取り方を設計する(ここが山場)
- 4年目:退職初年度の隠れコスト約86万円まで見込んだ予算を作る
- 5年目:住まいと確定数字で最終確認し、資金繰り表に落とし込む
正直に言うと、私はこの順番どおりに進めてきたわけではありません。
思いつくまま調べて、出口戦略を先にやって、家計の実測が後回しになった時期もあります。
それでも振り返って地図にしてみると、「どこまで終わっていて、何が残っているか」がはっきり見えるようになりました。
同じ5年間を歩く方が、私より少し迷わずに進めるための地図になればうれしいです。


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